PUMA CUP 2007全日本フットサル選手権で、蒼い集団が旋風を巻き起こす
激戦区、静岡を勝ち抜け、遂に全国へ足を踏み入れることになったPraia Grande。
支部予選、県大会、地域大会と全て決勝戦を1点差で落とすも、進出条件の2位をギリギリで掴み取ってきた彼らの武器は「守備」だという
高い技術を誇る選手を多々排出し、サッカー王国と謳われる静岡にあっても、決して華やかさを追い求めない彼らの取り組みはある意味で「異質」とさえ見える
自分達が誇るのは「ハイプレス」だという。とにかく走り、走り、そして走る。
決して楽ではなかっただろう取り組みを彼らはいとも簡単に言う
「施設を持っているわけでもなく、ましてやプロではない僕らは、毎回同じメンバーで練習できるわけではないんです。日によって集まれる選手が替わってしまう。そのなかで攻撃のための細かい練習をしたとしても、次の時に同じメンバーで出来るという保証はない。当たり前ですがみんな仕事を持ち、生活を持っている訳ですよね。そうなると練習に全員が出席できる保証はないわけですから、どうしても個人によって参加の格差が出てしまうんです。
じゃあ、出席が良いメンバーだけでやってこれたかというとそうでもない。
来ることが出来る日程の中で精一杯の参加をしてくれれば回数は問題ではないんです。でも、やっぱり攻撃のすり合わせは人が変わると微妙なタイミングとか変わってしまうじゃないですか。
じゃあ、いっそのこと守備しか練習はしないとしたらどうなんだろう?と。毎回来るメンバーもたまに来ることが出来たメンバーも、守備ならやることは同じなんですよね。リアクションの部分が大きいから。そういう経緯もあり、僕らはディフェンス、つまりハイプレスの練習ばっかりしてきたんです。正直、守備練習しかしていないと言っても嘘ではないです。
その代わり、攻撃は各自に任せる。これがPraia Grandeのフットサルなんです。」
インタビューに際し、チームを束ねる奥山も渡辺も、ほぼ同じ事を言った。
さらに、「自分達はエリートではないから」という。サッカーでもフットサルでも大きな実績を持つ選手はうちには殆どいないと言う。
それだけにこの大会にかける意気込みは半端ではなかった。「今年は行ける」そう感じる手応えもあり、何が何でも全国へ行きたいという気持ちが先走った事も正直に彼らは認めた。いわゆる静岡県大会の決勝戦である。
「実際、静岡の他のチームがこの大会も含め、色々な大会で上に上がっていくのをずっと見てきました。それは悔しいし、正直羨ましく感じてもいたんだと思います・・そういう気持ちが何年も何年も積み重なって、こうやってハイプレスに取り組みだして、実を結びだして・・今年は行けるかも知れない。という感触もあり・・」
渡辺や三輪と共にチームを牽引して来た奥山は、たびたび言葉を詰まらせながら、それでも真摯に気持ちを伝えようとしてくれた
「静岡の決勝戦の件で賛否両論というか、色々な所で叩かれたのは知っています。今言えることは、全国へ行きたいという気持ちが強すぎて・・先走ってしまったんだと思っています。判断する以前に、初めて掴んだ全国への感触をどうしても掴みたかったというか・・」
「でも、自分達の活動を応援してくれる方々や、自分達が倒してきたチームや、K-MIX(注:静岡県大会のスポンサー)の方々の企業イメージや、何より子供達の事とか考えると・・これからそういう事をしっかり考えて、それは遅いのかも知れないけれど、これからそういう事を背負って行けるようになって、その姿を見てもらうしかないと思っています。これからを見てもらうしか・・」
実はこのインタビュー前にフットサルライフに対し、某全国紙から問い合わせがあった。
「静岡県大会の決勝戦に関して」という問い合わせだった。
事の大きさも考え、決して想像や伝聞で伝えてはいけない事だと感じ、我々もこれまでそれを深くは取り上げなかった
今回、彼らの痛い部分だと充分理解した上で、それでも今後のフットサル界の事や、何より彼らの事を考え、直に聞いてみた中での会話である
今回PraiaGrandeが全国に向かう。問題は解決していないかも知れない。
それでも彼らと会話し、試合を観戦し、感じた事は「彼らの今後に期待しよう」というものだった
最後に「もう一度同じシチエーションになったら?」という質問に彼らは即答した
「もうどんな試合でも必ず勝つつもりで挑みます。支えてくれる人達に応えたいから。遅かったけど今回勉強させてもらいました」と
最後に彼らのプライドのためにもこれだけは書いておきたい
巷で騒がれたように彼らは、わざと負けようとして試合に入った訳ではないと言うこと
全国が目の前に現れ、大洋薬品という日本で唯一の「プロ」フットサルチームの強さもリーグ戦で目の当たりにし、
「パニック」のまま試合に入ってしまった。いつも通り「勝つぞ」と向かうにはその先の壁があまりに残酷な強さを感じさせていたのかも知れない
チーム内でも方向が定まらないままキックオフを迎えてしまった。
対するmato Grossoも快く取材に応じてくれた
代表は正直にこう応えてくれた
「あの試合は正直勝ちたくはなかった。対戦相手、それもあのチームと分かって順位を決めなければいけないというシチエーションをどうにかして欲しかった。僕らは負けようとは決めなかったです。でも勝とうともしなかった。
相手も同じ気持ちだろうと言うことぐらい分かりました。
ただ、協会にこのシチエーションをどうにかして欲しいという気持ちで一杯でした。で、結局ゆだねようとしてしまったんです。
つまりお互いが勝とうとしなければ、結局PK戦までもつれ込むだろうと思った。もしかしたら、お互いが外し続けてしまうかも知れないとも考えた。
そうなれば必ず何らかの裁定があるだろうと、そういう変な期待を考えたんです。で、どうして良いかわからないままお互いが試合に入ってしまった。
そこで相手オウンゴールという形で試合が動いてしまったんです。
みんなパニックになりました。結局、その状態を抜け出すためにはまず同点に戻そうと・・
振り出しに戻さなきゃって、とにかく焦ったんですよね。」
Praiaと同じ質問にも、全く同じ質問が帰ってきた。
「もう同じ事は起きない。それは絶対。」
PraiaもMatoも、痛い部分を正直にそして真っ直ぐに話してくれた。
私はその真っ直ぐさを信じてみたいと思う。「罰則だ罰則だ」と騒ぐ連中も確かに多く存在する。決して解決した訳ではないと思う。
でも、この一件で、何かを背負って戦うと言うことや、誰かの手を借りて活動すると言うことの責任の重さを感じた彼らは、もしかすると、歴史の浅い、そして急速に発展してしまった日本フットサル界の犠牲者だったのかも知れない。
急速に進歩していく技術や戦術とそれを支えるメンタルのバランスは誰が面倒を見てくれるのだろう。「自己責任」の一言で済ませてしまって良いのだろうか?
だからこそ、次は彼らの手で、もう一歩先に進めて欲しいと思う
そして、全国でのPraiaGrandeの戦いを注目して欲しいと思う
それはもしかしたら「偏見」から始まる注目なのかもしれない。だがしかし、私がその後見た彼らの活動や言動は、東海代表として誇らしく送り出せるそれであった。
どうか、「偏見」から始まる注目でも、最後には自分の目で「その後」の彼らを評価していただきたいと思う。
Praia Grandeが全国で踏み出す「一歩」は他のチームより重い一歩であって欲しい
全国大会での活躍を、フットサルライフは応援しています
【コメント】
奥山 保司 / 10
『チームコメント』
チームとしてここまで色々と支えてもらってることに感謝したい。東海代表という使命を感じ全力でプレーします
渡邉 純 / 9 代表
感謝を、すべての周りの人々に
増田 慈雄 / 2
今度の大会を(選手生活の)集大成となるよう "ハイプレス" をぶつけます
草場 大介 / 3
いつも迷惑を掛けている奥さんと(息子の)丈太郎の為にも、全国制覇をしてみせます
勝又 純一郎 / 4
(県・東海予選を勝ち抜いた、この選手権での)最後となる全国大会でも "ハート" で負けないプレーをしたい
三輪 智久 / 5 監督
(全国大会は)高い志を持ってやっていく。選手全員が一枚岩となって頑張ります
太田 啓介 / 7
まずはチーム内の競争に勝ち、試合に出場する。そして目の前の一戦一戦を大事に戦いたい
(戦術的には)"ハイプレス" をもっと詰めていき、全国で通用するレベルに引き上げます
中沢 晋平 / 8
この大会に懸ける思いは深いので、チームとして限界まで挑戦したいです
渡辺 忍 / 11
みんなのおかげでここまでやって来れた
そういう感謝の気持ちを表す為にも全力で臨みます
藤原 潤 / 12
東海代表として恥じないようがんばってきます
吉村 匡史 / 13
チームでやってきたディフェンスを全国で思いっきり試してみたいです
後藤 日登 / 14
東海予選までは不調つづきなので、全国では必ずチームに貢献します
五味 義之 / 15
全国大会で、これまでやってきた事をぶつけてくる
宇佐川 大介 / 16
チームの為にできることをがんばりたい
大石 英徳 / 18
コメントとれず・・
【戦歴】
東部支部大会(予選免除) ※上位2チームが県大会に進出
決勝T 1回戦 ○ vs F.C.BEN 1-1(4 PK 3)
決勝T 2回戦 ○ vs 沼津青年蹴球団 2-1
決勝戦 ● vs Mato Grosso/Frontier FC 0-1
静岡県大会 ※上位2チームが東海地域大会に進出
予選Dブロック
○ vs IBFOX セレゾン浜松フットサルクラブ(西部地区2位) 2-1
○ vs あたっくNO.1(中部地区1位) 10-0
準決勝 ○ vs 田原FC(西部地区3位) 3-1
決勝戦 ● vs Mato Grosso/Frontier FC 1-2
東海地域大会 ※上位2チームが全国大会へ進出
1回戦 ○ vs Team Cherries/Yoro Field(岐阜1位) 6-0
準決勝 ○ vs CASCABEL AICHI(愛知2位) 6-1
決勝戦 ● vs 大洋薬品/BANFF(愛知1位) 2-3
PUMA CUP 2007全日本フットサル選手権
vs 大原学園JaSRAフットサルクラブ △1-1
vs レキオスFC ○6-2
vs PREDATOR URAYASU FUTSAL CLUB ○1-0
準々決勝
vs 府中アスレティックフットボールクラブ ●1-6
Praia Grande BEST 8に散る