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2007年2月 9日

コラム003 プレイスタイルの陰と陽

選手やチーム関係者の方からも、割と好評を頂いてしまって調子に乗り、なし崩し的にコラムを連載させられています
果たしてこれでいいのでしょうか?
今回の全日本選手権から、スタッフとして正式に取材観戦に同行している訳ですが、当たり前な事にやはり、強いチームは強く、巧いチームは巧い訳で、色々な点で見所が満載でした
地元という事もあり、大洋薬品/BANFFの躍進には地域予選からずっと観戦を続けて来たわけですが、これだけのチームともなるとさすがに色々な所が目に付きます

そんな中、今回取り上げるのは、タイトルにもあるように「陰」と「陽」、すなわち光と影の関係という所
狭いコートで目まぐるしく攻守が入れ替わるフットサルは、そのプレイの特質上どうしても陽のプレイヤーにスポットが当たりがちです
わかりやすい所で言えば、「得点を決めた」「ピンチを防いだ」など、直接的なプレーで、誰の目にも明らかな「結果」を提供してくれるプレイヤーの事ですね
もっともっと簡単に言えば、それは「ウー」とも「ウィー」とも「ブー」とも「ボーハ」とも付かない雄叫びを挙げる事の出来るプレーとなる訳なんですが
流れのなかで、さらっとそういう「吠えられない」プレーをしてしまう選手がいます。プレーが切れず、そのまま続いてしまうため意外と注目されにくいのですが、実は素晴らしいプレーだったりする事が山ほどあるわけです
今回PUMA CUPを観戦して、予選から私の目に付いたのが大洋薬品/BANFFの上澤選手による、抜群のカット数
先に述べたように、狭いコートで目まぐるしく攻守が入れ替わるフットサルでは、その「ターンオーバー」のタイミングによってピンチが一瞬にチャンスに変わってしまうことも少なくありません
ただ、そのピンチを救ったプレーの直後には、当然のようにビッグチャンスも訪れるため、観衆の目は一気にその次のプレーへと移ってしまいます
上澤のチェックにたまらずファールを与えてしまうFIRE FOX (準決勝)
このファールはFKを得ただけでなく相手にイエローカードを与える事となった
さらにそのFKが11/マルキーニョスの追加点を生む
準決勝、決勝と次々に強豪を破ってきた大洋薬品/BANFFにも、中盤のポイントに於いて一歩間違えば即失点につながる場面が多々存在しました。もしかすると、すでにピンチに陥ってしまっている数的不利のカウンターを受ける場面にすらなっていたかと思います
彼が数的不利のカウンター時に於いて、相手ドリブルを幾度となくカットするのを目の当たりにして、なぜオスカーがこれほどまでに彼をスターターに起用するのかの1つが理解出来たような気がしました
攻撃能力の高いアタッカー陣を、パワフルなマークで支えるのが14/山田ラファエルならば、影の部分でターンオーバーを繰り返し演出するのが7/上澤が演じる攻撃以上の攻撃能力
大洋薬品/BANFFは、プロというその存在からも、一見目立つプレーが注目されがちですが、実は彼が陰で繰り返すカットや、単調になりがちなゲームのリズムを変えてくれる10/豊島のプレーなどに、その安定感をゆだねている場面も多く存在します
もし、振り返ってゲームを見ることが出来る機会があれば、是非とも、7/上澤のカット数を数えて見てください
そこから手に入れたターンオーバーの回数が、即、前方のマルキーニョスや森岡の抜群の攻撃性能を援護しているのだという事がわかると思います
ドリブルカットからのターンオーバーを見せる7/上澤
県リーグというカテゴリーからにも関わらず、真っ先に立ち上げ当初のプロチームに迎えられたという事からも、彼の評価は、監督の中でも非常に高いものになっているのでしょう
今後彼らと対戦する場合ポイントは、まず上澤にカットされない事
大洋薬品/BANFFの数多くの攻撃のチャンスの中で、組み立て時ではなく、こと「ターンオーバー時」においては、多くの場合、彼がキーマンになっているはずです
「吠えるタイミングのないビッグプレー」を生む男
大洋薬品/BANFF 7/上澤 貴憲 今後も要注目です
Text by soichiro / Photo by kaori suzuki