選手権を挟んだ東海リーグを経て、地域チャンピオンズリーグへと、タイトルを獲得する毎に徐々にその数を増やしていったサポーターと共に、遂に大洋薬品/BANFFが三冠達成の偉業を成し遂げた。
予選では前回覇者のD.C旭川、関東強豪のCASCAVEL
TOKYOという激戦ブロックでのスタートとなり、更に初戦ではマルキーニョス、森岡という2人のpivoを東海リーグ最終戦のレッドカードの懲罰で欠く
こととなった大洋薬品/BANFFは 、この大会、逆転の発想とも取れるベンチワークで見事優勝までのビクトリーロードを走りきった。
不動のスターターと言われた、定永、北原、ラファエル、上澤、森岡という5人を組むことが出来なかった初戦は当然の事ながら、スターターを誰で行くのかに
注目を集めたが、その実、名将オスカーは遂にこの5人を組ませる事無く全ての試合を運んで行ったのだ。
初戦カスカベウにはゴレイロにマルコスを起用、FPに難波田、上澤、ラファエル、ボラという組み合わせで挑み、旭川戦では、定永、北原、ラファエル、森岡をスターターに戻すも再びボラを起用し、オスカーの評価が高い上澤を、珍しく下げてスタートする。
準決勝では再びゴレイロにマルコスを戻し、北原、ボラ、上澤、マルキーニョスというセットを見せ、決勝では定永、北原、上澤、ボラ、森岡と、全てを異なったセットでスタートさせる事となる。
もちろん大洋薬品/BANFFの強さのひとつである、選手層の厚さの証明となる訳だが、実は、優勝を計算すると実に2日間で4試合と、フィジカル的にも非
常に厳しい大会を乗り切るために、ひとりひとりの負担を少しでも軽くする計算があったことも推測できる。
また、3試合しか出場の叶わなかったマルキーニョスが何と10得点と堂々の得点王を獲得する。1試合実に3点オーバーの得点力は驚異と言う他ない。それがスタートから出場したのは僅か準決勝の1試合というからたまらない。
ゲーム途中から大量爆撃機が現れるようなものだろう。
それまでの時間を森岡に手こずって、やっと退いた所にこんな選手が現れては、さすがに守る方に同情さえ感じる程の得点力である。
何にしても大洋薬品/BANFFは、設立当初から掲げてきた「三冠獲得」を有言実行した事となる。
強さに加え、内容も濃いこのチームの快進撃には、その強さ故の、「勝利至上主義でつまらない」「もっと魅せるフットサルを」という声も聞こえて来るのだが、私はそうは思わない。
これこそが魅力的なフットサルで、背負った勝利の義務こそがプロチームの証なのであるから。
願わくば、その存在を脅かすチームが1つでも多く、それも早く現れる事ではないだろうか。
強すぎるチャンピオンは、強さ故のアンチファンを作る。相手が勝ち、このチームが敗れるところを見たいという観衆も増えるだろう。しかし、それをはねのけて勝ち続ける者こそが本当の意味での絶対王者となる。
今年、大洋薬品/BANFFは見事それを乗り切った。誰にも文句の付けようがない「日本一のフットサルチーム」となった。ながらく大洋薬品のキャッチフレーズだった、
「日本初のプロフットサルチーム」
は、今ここに
「日本一のフットサルチーム」とそのコピーを変えた。
日本フットサルの未来や、Fリーグを見据えたある意味で商業的な見解から言えば、このチームを脅かす存在が1日でも早く育たなければいけない。一強独裁は、必ずしも良いことばかりではないのだから。
逆に大洋薬品は、出来るだけ長い期間、逃げ続けて欲しいと願う。
それを追い続ける事が、日本フットサルの底上げに繋がるのだろうから。
大洋薬品/BANFFは、1つの時代に幕を下ろし、そして新たな時代をスタートさせたと言っても過言ではないだろう。
フットサルライフ編集部 07.03.26
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