
前年度の大会では全国ベスト8の好成績を残したPraiaGrande
だが、東海王者として挑む今年の彼らにのしかかる期待と責任は大きい。
昨年はリーグ初戦を引き分け、プレデター(現バルドラール浦安)を下し1位抜けで決勝ラウンドに進出した彼ら
「昨年の初戦の引き分けが頭にあったから、今年は初戦が凄く大切だという意識が昨年以上にあった」
という10番奥村が言うように、スタンドに『挑戦』と掲げた彼らの初戦がスタートした。

今日のジュビロを佐野が牽引したように、この日のPraiaは、明らかに深紅のキャプテンマークを右腕に巻いた、背番号7 関根達馬によって牽引された。
07年の東海王者を支えた関根だが、実は昨年のこの大会は東海大会の準決勝で姿を消している。
静岡県を制して挑んだ東海大会の準決勝で、大洋薬品/BANFFに破れ、あと一歩で全国への道が閉ざされた過去を持つ。
逆ブロックから東海を勝ち上がり、大洋薬品/BANFFと共に全国出場を決めたのは、静岡県大会で彼らが倒したPraiaGrandeであった。
その時も右腕には、同じようにキャプテンマークが巻かれていた。
ただ1つ、袖を通したユニフォームが今年は違う。
ライバルチームに移籍し、更にキャプテンとしてここにたどり着いた彼は、全国の舞台でも、やはりキャプテンとして相応しい働きを、何一つ変わらず見せてくれた。
PraiaGrande 初戦4-0勝利。うち3得点が関根達馬その人であった。
公式記録0分、全国の舞台で、1分と立たずその力を証明した。
このチームには、得点能力が優れる選手が他にも存在する。
19番松本、10番奥山、9番渡邉、15番五味、8番中沢など
どちらかと言えば、バランサー的な役割を主とする関根が、この日ハットトリックで大事な初戦を勝利で飾った。


挑戦はさい先良くスタートした。タレントは揃っている。
皆が、口を揃えて「どうせならFとやりたい」という。幸いにも(不幸にもでなく)、彼らのブロックにはFリーグが2チーム入った。
西の雄シュライカー大阪と、関根と同じく昨年Praiaにその活動の場を移した松本が以前在籍した、『田原FC』で一緒に凌ぎを削った松田マルシオ擁するバサジィ大分である。
貴重な一年を過ごしたFリーグ勢に立ち向かっていくためには、頼もしい存在が必要となる。
キャプテンはこの日それを見せた。明日からは、豊富なアタッカー陣がその期待に応える番だろう。
他にもこの日、切れの良い動きを見せた選手としては、8番中沢晋平が目に付いた。
15番五味と同じく、Praiaのスピードスター軍団の一角である。

中沢はこの日、スピードを活かした攻撃で相手を翻弄するだけでなく、ディフェンス面においても素早い寄せで、cabellaの攻撃の目を摘んだ。目を摘むと同時に、今度は自らの攻撃を開始する。
嫌な選手であった事は間違いないだろう。
結果も出した。関根以外の得点では、2点目がこの中沢によってもたらされた。
決して地域レベルというだけでなく、全国に出ても、選手層の厚さはPraiaの武器であった。


この日、cabellaの攻撃も充分スピードに溢れるものであった。何度もPraiaGrandeのプレスをかいくぐる場面を見せた。
「ここまで来ると、テクニック的にもやはりそれなりの選手、チームばかりですから。全国での有名チームでなくとも、ここにいること自体、強いチームである事は間違いないです。」
とこの日はPraiaベンチをもり立てた渡辺忍も言うように、東海リーグでも中々お目にかかることの出来ないPraiaの危険なシーンが多々あった。
それでも、この日4-0という完勝と言えるスコアで勝ち点3を奪えたのは、彼らの目には今回『F』の文字がちらついているに違いない。
昨年のベスト8を上回る成績を残すことが出来るのか?
明日からのF勢との対戦こそが、正念場となるだろう。
もう一つ。
この日、同時スタートで行われたシュライカー大阪対バサジィ大分というFリーグ対決の中で、1人気を吐く人物が目に付いた。明日対戦するバサジィの方にである。

かれはスタンドでただ1人の応援団として、最後までバサジィの応援を続けていた。
3-1とリードを奪うも、3-5と逆転され、もう勝利はほとんど無いだろうという残り時間も、時計が0になるまで大きな声で、たった1人で応援を続けた。
結果、2点差での負けが濃厚な残り1分、バサジィは1点を返し、4-5という1点差での負けまで迫った。
ワイルドカードが2枠も存在する、この予選ブロックでは、この1点は意外に大きい。
選手が勝ちと負けしか考えていなければ、無理な攻撃を見せてさらにスコアが開いたかも知れなかった。
もしくは、残り数十秒、「ああ、負けだ」と思ってしまえば、この1点は無かったかも知れない。
彼の声は、必ず届いていたと思う。
選手も最後まで戦わなければいけないと思えたに違いない。
たった1人で、最後まで声を張り上げた応援団。ほぼ負けが見えてからでなお。
こういうサポーターのいるチームは強いと思う。
明日、PraiaGrandeはこのバサジィ大分と対戦する。支え続けられる力を侮ってはいけない。
彼らは彼ら以上の力を発揮する事だろう。
『F』でも『地域』でもなく、自分達が信じたものや、自分達を信じるものの為にも、明日は
最後まで『挑戦』を忘れないで欲しい。
結果はその先に現れる。
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