
代々木にて行われたPUMA CUP2008 第13回全日本選手権の決勝戦は、国内の主要大会全てのタイトルを総なめにしてきた名古屋オーシャンズが、この大会2連覇を賭け、初年度のFリーグでは名古屋に続き2位と打倒名古屋の最有力候補のバルドラール浦安との決勝戦という、恐らく誰もが予想した、無難ではあるが、最も期待されたカードは延長戦までもつれ込んだ結果、バルドラール浦安の優勝という結果に終わった。
この日も2得点とこの大会大活躍の稲田が得点王に輝き、MIPも受賞
名古屋のスターターはGK定永、FPに完山、森岡、ボラ、鈴木。対する浦安はGK川原、FP小宮山、藤井、稲葉、稲田という構成。
同じく赤をホームユニフォームとする両チームは、浦安が赤を、名古屋はFリーグとは違い白のユニフォームと、昨年の大洋薬品/BANFFを思い起こさせるユニフォームでの試合となった。
ただ、余談ではあるが、某科学雑誌によると赤いシャツを着たチームとそれ以外のチームが接戦になった場合、赤いユニフォームのチームが勝利する確率が高いという統計が出ているという、名古屋にとっては嫌なデータもあり、出来れば接戦は避けたいところだが、現時点でのこの両チームの戦いはどうしても接戦にならざるを得ない。
立ち上がりから名古屋にチャンスがつづく。開始2分、CKを鈴木がヘッドであわせるもゴール左に外す。5分にはラファエルのシュートクロスをボラがファーでつめるがサイドネットに。
そして8分、センターライン付近右からのマルキーニョスのループパスを受けた8番丸山がこの試合唯一放ったシュートでゴールをあげると名古屋が先制する。

が、浦安も僅か1分後に10番岩本が試合を振り出しに戻すゴールを上げ、1-1の同点とする。

10分、岩本からのパスを藤井がヒールであわせる。対してボラが左サイドを得意のドリブルで突破してそのままシュートと、得点を契機に両軍ともに好機を演出するようになる。
その後、名古屋15本、浦安は13本のシュートを、ファールは名古屋が2、浦安が3と、ほぼ互角の展開で前半を折り返す。

前半から名古屋の攻撃を引っ張ったボラが後半に入っても冴えをみせる。
後半開始そうそう、上澤、森岡と経由したボールを受け、ゴール前に切り込んでシュート。
しかし、名古屋の良い展開は長くつづかず、次第に浦安ペースへと移行していく。
後半9分、キックインからつないだボールを浦安7番の中島が流し込み逆転、2-1。

いよいよ優勝の文字が浦安にちらつき始めたかに思われた後半11分から、さらなる怒濤の展開へと突入する。
センターサークル付近でカットしたマルキーニョスがそのままゴールへ向かおうとした瞬間、その独走を防ごうとした浦安11番清水がうしろから引っ掛けてしまい、これが一発レッド。
この降ってわいた好機を名古屋が見逃すわけもなく、1分後にはペナルティーアーク内で受けた今大会大活躍の完山が振り向きざまに左足を振り抜き、試合を振り出しに戻す。


更にその2分後、マルキーニョスとの絶妙なワンツーで中央を突破したボラが、2人のディフェンスの間をぬって進入し右足を一閃、再度逆転に成功する。
さすがにこれで勝負あったかに思われたが、 その1分後の後半15分、前半とは打って変わってファールを累積させた名古屋は遂に6つ目のファールを犯してしまう。若干微妙な判定という感は拭えないが、いずれにせよこのファー ルで得た第2PKを、優勝とは別に、得点王の芽もある浦安20番の稲田がきっちり決めて、3-3と再度同点。浦安も悲願の優勝へ向けて最後まで食い下が る。
ここから試合終了までの間、名古屋は5ファールという呪縛に苦しめられて行く。
それに呼応するかのように、会場は完全に浦安モードへと移行。「名古屋に勝ってしまえ」という雰囲気が徐々に会場を支配していく。
浦安も後半5ファールと追い込まれるが、最後の一線を越えず踏みとどまり、逆に名古屋は遂に7つ目のファールを犯す。
2度目の第2PKも、浦安キッカーは稲田。決めればほぼ優勝が決定的となったこの第2PKは、GK定永の正面を突き、浦安終了間際での勝ち越しならず。更に終了直前には3度のCKを得るが、それでもこのシーソーゲームに終止符をうつことはできずそのまま後半が終了。



Fリーグであれば、これで引き分けという結果に終わっていた。
だが、これはノックアウト方式のカップ戦である。そこには『両者痛み分け』という言葉は存在しない。
純粋に『勝利』のみが追求されるトーナメントでの両雄の戦いは、まだ終わらせたくないとでも言うかのように、延長戦へともつれ込んだ。
あと10分、この戦いが見られる。そして僅か10数分後には、全国各地で膨大な数のフットサルチームが夢見た、『唯一、負けてこの大会を終えなかったチーム』として残る。
ただし、両チームともに累積ファールは消えず浦安5、名古屋7のまま延長戦がスタートする。つまり、どちらもたった一回のファールに優勝が左右されてしまうかも知れないという、非常に緊張感のある延長戦となった。
終盤の勢いをそのまま持ち込むかのように浦安主導で展開していく延長戦。遂にその均衡を破る『ファール』が名古屋に。

1本を決め、1本を外し、そして最も蹴りにくいだろうと思われるこの3度目の第2PKを、やはり浦安は得点力抜群の稲田に蹴らせる。
稲田もそれに見事に答えゴール右上に突き刺すと、浦安4-3と名古屋をリード。



このまま終わるわけにはいかない名古屋は、その後準決勝ではピンチを救ったパワープレーに出る。しかしこれを最後までノーファールで堪えた浦安が、Fリーグのリベンジを果たし、対名古屋初勝利をもぎとった。






そして、名古屋は5冠目となる全国選手権2連覇を阻まれ、浦安が見事な優勝を収めた。
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