
ここまで3日間で両チームともに4試合をこなす強行スケジュールということもあり消耗戦の様相も呈したファイナルは、準決勝のあと1時間半のインターバルをおいて行われた。
本命視された関東勢を蹴散らして決勝に進出したのは、北海道代表D.C Asahikawa Futsal Club(以下D.C)と関西1代表JOY FUTSAL CLUB KIMURA SPORTS(以下JOY)。
ともに先の全国選手権では苦汁を舐めただけに、お互い譲れない一戦となった。
スターティングメンバーは、D.Cが嵯峨、菅原、辻、菅野、阿部。一方JOYは斉藤、大槻、大谷(真)、馬場、成田。


立ち上がりからD.Cがポゼッションをうばい立て続けシュートを放つが、後方でパスまわしをした中から苦し紛れに打つものばかりで、決定機までには、なかなか至れない。
対するJOYは、全員が自陣に引き得意のカウンターを伺うが、こちらもチャンスは作れず。
互いに持ち味を出す形となった序盤の均衡を破ったのはD.C。
前半6分、PKアーク手前でパス交換をしJOYディフェンスを翻弄して、左45°から菅原が左足を振り抜き先制。


しかしJOYも2分後、CKをファーで待ち構えていた大谷(純)がヘッドで押し込みすぐさま同点にする。


ドリブル突破に活路を見出そうとするJOYと、ポゼッションをうばい丁寧にパスワークで崩そうとするD.Cという攻防で展開した前半が終わりに近づいた19分、JOY14番成田が左からゴール右上に突き刺さる逆転弾を決める。
だが同分、高山が敵陣でDFを2人の間をぬうようにドリブルで抜け最後は酒師が冷静に流し込み再びD.Cが追いつき、2-2で前半を折り返す。










後半も前半の戦いをリプレーするかのように、D.Cがボールをキープし好機を演出するがJOYが集中力を保った統率された守備で凌ぐという展開で進む。ただ連戦の疲れからか両チームともにプレーの精度を落としていき、カウンターは鋭さを失い、ゴール前でつめられなかったりといったシーンがつづく。
そうして進んだ後半15分、右サイド深くからつないだボールをゴール前やや左で受けた菅原がこの試合2点目となる逆転ゴールを決め、D.Cが3-2とリードする。


その後、長束を投入しパワープレーにでたJOYであったが不運なオウンゴールなどもあり更に失点を重ね、最終スコア5-2でD.Cが競り勝ち栄冠を手に入れた。




大会MVPには決勝でも値千金の2ゴールを決めたD.Cのキャプテン菅原和弘が受賞し、得点王にはこの試合でも序盤の同点弾を奪い大会通算10得点を決めたJOYの大谷純一が輝いた。

MVPの菅原和紀(D.C)
「2年前の優勝は運がありすぎたと思ってますが、今回は予選でSHARKSと同じ組を1位で抜けて、準決勝で関東のFUGAを倒して、最後に関西のJOYに競り勝てたというのはちょっとは胸を張れる優勝かなと思っています。Fリーグができた事で、この大会をもしかしたら『下のレベルの大会』と見てる人もしれないので、来年は選手権でFを倒したいですね。」

得点王の大谷純一(JOY)
「序盤から皆がガチガチになった所はあるかな。緊張とかではないですけど。疲れから楽をしようとして足先だけのプレーになったところもあったし、40分を通してなかなかリズムを掴めなかった。逆転したときに流れが傾きかけたんですがリードして前半を終われなかった(前半残り数秒で同点とされる)し、そこでも立て直せなかったのは、チームをまとめる者として責任を感じています。来シーズンはたぶんFに行くことになるのでこれでチームを離れることになるんですが、最後にチーム一丸となって戦えたことはうれしかったです。」
2大会ぶりとなる2度目の優勝をもぎ取ったD.C。持ち味を存分に発揮し大会を多いに盛り上げたJOY。Fリーグの攻防とはひと味違う息詰まる一戦を演じてくれた両雄に心から拍手を送りたい。
ただ残念だったのは、この熱戦が空席ばかりが目立つスタンドのなかで行われたことである。
全国選手権の直後ということもあってか報道陣の数も少なく、例年になく注目度の低い大会になってしまった感がある今大会。
もちろんFリーグのような華やかな演出はなく一般のフットサルファンの興味をそそることは難しいかもしれないが、それでも各地域リーグで切磋琢磨する現役選手たち及び関係者の姿までもが、決勝のスタンドでほとんど見られなかったのは何とも残念である。
今後、この大会の意義を保つためにも再考の余地があるのではと思いながら会場をあとにした。